実際に働くことで見えてくるビジネスチャンスとは

介護現場のリアルな課題を把握できる

将来的に介護ビジネスを始めたいのなら、まずは実際に介護の現場で働いてみるべきでしょう。理由は、実際に働いてみないことには、実情を完全には理解できないためです。現場を何もわかっていない人がビジネスを始めると、現場スタッフから不満の声があがる可能性があります。その点現場経験があれば、「この人は現場をわかってくれている」とスタッフに信頼してもらうことができるでしょう。
また、実際に働くことで、介護の現場のリアルな課題が見えてきます。実際、人手不足すぎて個別ケアを行いたくとも行えない、人間関係などに問題があり情報共有がうまくいかない、デジタル化を進めたいけど脱アナログがなかなか進まないなど、実際の現場にいなければ見えない課題は多々あるでしょう。こうした課題が事前にわかっていれば、それを解決するにはどんな仕組みやサービスがあればいいのかを考えることができます。介護ビジネスを始める際に積極的に改善アイデアを取り入れることで、介護職員と利用者双方にとってより良いサービスになる可能性があります。

利用者のリアルな声を聞ける

実際に介護の現場で働くことで得られるのは、利用者の生の声です。どんなサービスにもいえることですが、顧客ニーズを把握することは非常に大事です。「こんな介護ビジネスをやりたい」という理想だけでは、顧客の心は掴めないでしょう。実際に利用者と接することでリアルな声を聞くことができるので、積極的にニーズ把握に努めましょう。
例えばとあるアンケートで、有料老人ホームでよかったと思うサービスを利用者に聞いたところ、「食事の栄養バランスが良い」「メニューが豊富など、」多くの人が食事に関することを回答したそうです。このアンケートにより、食事に力を入れることが大事だとわかります。
また、じっくり向き合うことで、初めて心の内を打ち明けてくれるケースもあるでしょう。表向きにはわからないような問題や人間関係などを把握できるため、よりきめ細かなサービスの提案が行えるかもしれません。

人脈を作れる

これも介護ビジネスに限ったことではないですが、何の後ろ盾もないまま起業しても、うまくいかない可能性が高いです。介護の仕事は、一人では行えません。多くの人の協力のもとで成り立つ仕事です。信用のない人がいきなり起業しても、賛同してくれる人は少ないでしょう。そのため起業を考えているのなら、実際に現場で働いているうちに人脈を広げておきましょう。起業後何かと協力してもらえるだけでなく、起業するために必要なノウハウをさまざまな角度から教えてもらうこともできます。現場で働いている間に準備をしっかりと行い各所に根回ししておけば、起業が失敗するリスクを軽減できるでしょう。
また、ともに働きたい人材をスカウトすることもできます。

サービスや事業のアイデアが浮かびやすい

実際に介護の現場で働いていると、「こんなサービスがあったらいいのに…」と思う場面が多々あるでしょう。それこそが、新たなサービスや事業を生み出す大きなチャンスです。実際に働くことで浮かんだアイデアを起業後に形にすれば、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
実際に、「新人介護職員がおむつを上手に扱えず漏れが発生しやすい」という現場の声をもとに、「おむつの扱いが上手な人のテクニックを再現したおむつ」を生み出した企業もあります。介護の現場は新たなサービスやアイデアの宝庫なので、働きながら目を光らせておくとよいでしょう。